この投稿について
- 投資に興味はあるけど分からないことが多いので手を出していなかったり、自分にとって投資は縁遠いと思っている方、また、今の自分の投資に自信がない方に向けて、投資の本質をまとめました。
- この投稿を読むことで、投資をするかしないか、投資の方針を変えるべきかどうか、理由をもって判断することができます。
それでは、詳しく見ていきましょう。
投資は「豊かな人生を送るため」であることを忘れてはならない
「投資は危ない」と思っている方へ
「危なさ」の正体は次の2つではないでしょうか。
- 知識不足による「得体の知れなさ」
- いざお金を目の前にしたとき、目がくらんで、本質的な目的を見失ってしまうこと
「危ない」と感じるのは、投資に対して、得体の知れないものに対する恐怖感を覚えているからではないでしょうか。この恐怖感は、知ることで回避・克服することができます。
資産運用・投資の目的は、質の高い体験を得るための原資であり、心地よい時間を得るための原資を作ることです。したがって、筆者の意見としては、「危ない」と感じる程度にリスクを採るのは、資産運用・投資の目的に照らして本末転倒です。気持ちの余裕がなくなって豊かな時間を送れなくなるくらいなら、投資は行わないほうがいいと考えます。
資産運用・投資においては、俯瞰的な視点で目的を常に意識することが肝要で、この記事が少しでもその手助けになればと思います。
では、資産運用・投資の本質とその目的・波及効果について、順を追って、見ていきましょう。
そもそも資産運用・投資とはなにか?
資産運用=資産を増やすための貯蓄・投資
貯蓄も資産運用!実はみんな既に資産運用をやっています
「資産運用」という言葉の意味は、デジタル大辞泉によれば次の通りになっています。
自分の資産を増やす目的で、貯蓄したり、投資したりすること。また、銀行や投資信託会社などの機関投資家が集めた資金を債券や不動産などに投資すること。
デジタル大辞泉
資産運用には貯蓄も投資も含まれます。つまり、現金を銀行に預けることや、現金を鉄製の金庫等に入れて手元に置いておく所謂「タンス預金」すらも、資産運用には含まれているということです。
「資産運用なんて自分とは縁のない話だ」と思っている方も、実は既に巻き込まれてしまっているのです。
既に巻き込まれてしまっているのなら、基本の考え方を知っておくに越したことはありません。
貯蓄と投資の違いは、①増やす意識の強さと②予測できない未来の許容
「投資」という言葉の意味は、デジタル大辞泉によれば次の通りになっています。
利益を得る目的で、事業・不動産・証券などに資金を投下すること。転じて、その将来を見込んで金銭や力をつぎ込むこと。「土地に投資する」「若いピアニストに投資する」
デジタル大辞泉
もう少し噛み砕けば、次の通りです。
現金収入の発生や、値上がりを期待して、不動産や株式や債券を保有すること。
未来は確定的には予測できないことを許容しながら、将来の利益を期待しています。
- 事業への投資は属性が大きく異なり、本カテゴリで対象とする「トレードリスク管理術」から外れるため言及しません。
「貯蓄」という言葉の意味は、デジタル大辞泉によれば次の通りになっています。
財貨をたくわえること。また、その財貨。「将来に備えて貯蓄する」「財形貯蓄」
デジタル大辞泉
蓄えておくこと、それ自体が目的になっていますね。
- 具体的には、銀行への普通預金や定期預金など、元本保証(元の金額が保証されていて、見かけ上は損をしないこと)のある金融商品を保有することです。
銀行預金が金融商品である、というイメージはあまりないかもしれませんね。
未来が予測できない中でも、将来の金額を確定させておく行為とも考えることができます。
資産運用のポイント:①増やす意識と②リスクの質と量、との組み合わせ調整
資産運用に貯蓄、すなわち「貯める目的」が含まれているのは、有事に備えるため
資産運用が資産を増やす目的であるのなら、一見、投資だけしておけばよさそうです。
しかし、例えば、一度にすべての貯金を株式や債券に変えてしまったら、その直後にコロナウイルスの感染拡大のようなパンデミックが起きて価格が暴落した場合に、資産を増やすにはなかなか至れません。また、急に入院が必要となった場合に現金がなくて困ってしまうでしょう。
増やす意識一辺倒では、想定外の事態に対応できなくなってしまいます。
投資で利益を狙いつつも、有事に備えて貯蓄を残しておくのが、資産運用の基本戦略ということになります。
未来の不確実性=リスク。資産運用はリスクの質と量の組み合わせ調整がキモ
これまでを振り返ると、資産運用は、増やす目的で予測できない未来を受け入れてでも利益を狙う「投資」と、貯める目的で未来を確定させようとする「貯蓄」とを組み合わせる行為でした。
「未来の予測のできなさ」すなわち「未来の不確実性」はリスクそのものです。従って、「投資」と「貯蓄」の対象や量を調整しながら、リスクの受入具合をコントロールすることこそが資産運用と言えるでしょう。
投資も貯蓄も金融商品を保有する行為であり、それぞれの金融商品のリスクを知ることが、資産運用に大きく役立ちます。どのようなリスクを、どのくらい持っているか?それが自分の資産のどの程度の割合か?このカテゴリの中で、考えるヒントを紹介できればと思います。
【理由・目的】なぜ、資産運用・投資をするのか?
言い換えれば、なぜ、資産を増やそうとするのか?ということですね、
筆者は次のように考えます。同様の考えの方も多いのではないでしょうか。
資産が多いほうが・資産が増える状況があるほうが、豊かな人生を送ることができるから。
更にもう一段深掘りしてみましょう。
なぜ、資産が多く、資産が増える状況にあるほうが、豊かな人生を送ることができるのか?
言い換えれば、なぜ、お金が多く、お金が増える状況にあるほうが、豊かな人生を送ることができることができるのでしょうか。
これを知るためには、「豊かさ」を見直し、定義してみる必要があります。
筆者は、「豊かさ」を次のように定義しています。
体験×時間=豊かさ(≒幸福)
質の高い体験を得ている時間、それが長ければ長いほど、豊かで、幸せだ、と考えています。
質の高い体験をするため、そして、そういった時間を得るために、お金があったほうが自由度が高いため、豊かな人生には、資産運用・投資が有用だと考えるわけです。
「質の高い体験」は自分で見直し・定義が必要
どのような体験が質の高い体験かは、個々人によって異なります。自分にとって豊かさ・幸福に繋がりやすい体験の方向性は、自分で見出し、定義するしかありません。自分の価値観を見直し、自分にとって質の高い体験を把握する方法については、別カテゴリで紹介していきますので、ぜひ実践していただければと思います。
「体験」だけでなく「時間」も買うことができる
「時間を得る」は、必ずしも、おいしい食事をしたり、レジャー施設を訪れたり、エステを受ける等、サービスを買う(=サービスを享受している時間を買う)ことで直接的にQOLを挙げることだけを意味しません。
例えば、新・三種の神器(ドラム式洗濯機・ロボット掃除機・食器洗い乾燥機)の購入によって日々の必要な消耗作業にかかる時間を軽減し、休息や勉強をする時間を得ること(=時間を買う、と言えます)も、豊かな人生には寄与すると考えています。
お金は、豊かさの仕掛品に過ぎない
資産運用は、少なくとも個人にとって、資産を増やすこと、すなわち、お金そのものが本質的な目的なわけではありません。
- 資産の増加そのものに幸福を感じられる側面を否定するものではありません。筆者も資産の増加で安心感や充足感を得ています。強調したいのは、この安心感や充足感が本質的な資産運用の目的だという点です。
繰り返しになりますが、豊かな人生を送るために資産運用をするからこそ、資産運用・投資で精神不安定になって夜も眠れなくなってしまうのは、本末転倒なのです。
従って、リスクアペタイト(リスク許容度)を考えて自分にとって適切なリスクの質と量が分かり、適切なリスクと質と量を採る中で、沸き起こる感情を峻別し、不必要に不安にならず、反省はしても後悔はしないメンタルコントロールが肝要なのです。
【期待する効果】何のために、資産運用・投資をするのか?
さて、豊かな人生を送るためという大きな目的において、より具体的には、どのような効果を期待して、資産運用・投資をするのでしょうか。
資産運用・投資に期待する小さな目的や副次的な効果は、「攻め」と「守り」の2つの側面から考えることができます。より豊かな人生を送ろうとする「攻め」の側面と、今の豊かさを維持しようとする「守り」です。
攻めの側面ー更なる豊かさを追求するために
今よりも豊かな人生を送ろうとする側面では、次のような目的・期待効果が考えられます。
【攻め①】キャッシュフローを得るため。特に、 不労所得を得るため。
この目的・波及効果をもう少し具体的に見ていきます。
【キャッシュフローのメリット①】老後を含む日本で過ごす将来への不安を軽減するため
変化の速い不安定な時代で、成長国とは言えない日本にとって、今の状況はなかなかに厳しいものです。私たちの生活にも、以下のような変化の影響は少なからず出てきています。
- 少子高齢化の進行に伴う年金制度の前提崩壊
- グローバル化の進展に伴う国を跨いだ競争激化による日本企業の地位低下
- 国力の低下に伴う国家基盤の脆弱化、インフラの外資独占
ひとつひとつ具体的に見ていきます。
【日本の変化①】少子高齢化の進行に伴う年金制度の前提崩壊
- 所謂「老後2,000万円問題」は、要約すると、昭和のモデルケースともいえる夫がサラリーマン・妻が専業主婦の家庭において、夫が定年退職してから年金のみの収入で生活していくと、30年後に2,000万円では底を尽きてしまうというものでした。
- 積立金を取り崩していない今、年金制度が即座に崩壊を迎えることは考えにくいものの、少なくとも、昭和の時代に王道であった、終身雇用を前提にマイホームを買い、子どもは一姫二太郎で、定年退職後は年金と退職金で悠々自適な生活を過ごす、そんな暮らしが現実的な時代では必ずしもなくなっていることが事実でしょう。
- そもそも、このような生活が理想ではない方も増えていると思うものです(環境変化に対応して理想を変えざるを得なかったのか、技術の発達に伴って理想が変わったのか、鶏卵の議論にはなりますが)。
- 別方面からの対策としては、物質的に豊かになったからこそ、自分にしか見出せない自分なりの幸福を定義することも有用です。
【日本の変化②】グローバル化の進展に伴う国を跨いだ競争激化による日本企業の地位低下
- 終身雇用は労働者の不安を軽減し、個人の幸せやスキル向上に寄与する素晴らしい制度ではあるものの、時代の変化がどんどん早まる中、グローバル化による競争の激化を受け、企業による終身雇用の保証はどんどん困難になっています。
- 反面、旧態依然とした年功序列から成果主義的になり、能力や成果に比例した報酬が得られるようになっているとも言えますが。
- 国際社会の中で日本企業が生き残れなくなっていくと、直接そういった企業から給与や売上を受け取ってはいなくとも、衰退する日本経済の影響を間接的に受けることになります。グローバルに展開している日本企業の地位低下は、私たちひとりひとりの生活にも、めぐり巡って好ましくない影響を及ぼすことでしょう。
【日本の変化③】国力の低下に伴う国家基盤の脆弱化、インフラの外資独占
- 日本の人口は減少の一途を辿っており、少なくとも相対的には、国力は必然的に弱まっていくことでしょう。国際社会の中で発言権が弱くなっていく傾向は回避できないことになります。
条約など、不利な条件での国家間の取り決めが増えていくことも想定されてしまいます。
- 国力が低下したとき、狙われるのはその国の地の利といえる特徴です。海に囲まれたわが国に豊富な排他的経済水域や、雨の多い地域だからこそ豊富な山地の水源は、成長めざましい中国から狙われ続けていると思われます。
日本で過ごす将来を憂いて日本を出ていく…そういった選択肢が勿論ないわけではありません。しかし、少なくとも現在、日本という国はかなり恵まれた立ち位置にあるのも事実です。
リスク回避時の通貨として取り扱われるのはスイスフランと日本円以外にはメジャーなものはありませんし、医療制度、治安の良さや衛生環境、おいしい食事の喫食にかかる費用の安さなど、日本という国の優れている点は枚挙に暇がありません。このメリットを享受するという選択肢は、決して悪いものではないと思います。
- 加えて、国籍を変更し生きていくためには、他国で十分な信頼を獲得していく必要があり、そのために必要なコストは生半可なものではないでしょう。
このような環境において、働く以外の方法、つまり資産運用・投資という方法でキャッシュフローを得ることができれば、稼ぎ口や老後への不安を軽減し、将来設計も立てやすくなるのではないかと思います。
(ちょっと脱線)
- なお、筆者は国家を「外部不経済のない会社」と捉えています。その株主(=国民)の長期的な利益に資するため、様々な施策を取っていくわけです。
- 通常の会社と比して、「外部不経済のない」というのは、つまり外部に不利益を及ぼす選択肢を採ることができない。なぜなら自国内には外部がないからです(もちろん、国家間の外部不経済はありますが)。社会的弱者を作ることが一義的には許されず、かといって強者を制限すればよいわけでもありません。あちらを立てればこちらが立たない…という両天秤の選択の中で、少しでも国の持続可能性を高める選択をしていると考えます。
- このような認識だからこそ、NISAやiDeCoを国が推進するのは、投資そのものが国民一人一人の豊かさと、ひいては国の持続可能性を高めることに繋がると考えているのではないかと想像します。
【キャッシュフローのメリット②】豊かな人生に寄与する体験をもっと得るため
前述の通り、お金は豊かさの仕掛品に過ぎません。
言い換えれば、自らの幸福は自らで定義し、一歩ずつそのベクトルに進んでいく、それが豊かさに近づく本質と考えているため、十分な資金を持っていることそのものがそれだけで幸福・豊かであるとは全く考えていません。
しかしながら、自分にとって質の高い経験が見つかったり、時間を買う術に辿り着くことで、掴み取りたい豊かさ・幸福の源泉が見つかったとき、金銭を理由に諦めざるを得ない状況を少しでも減らしたいものです。
資産は、正確に言えば、資産が生み出すキャッシュフローは、質の高い体験や時間的な余裕といった、豊かな生活のための強力な礎になりえます。
【キャッシュフローのメリット③】経済的自由にたどり着く、すなわち、働く・働かないの選択肢を得るため。
「特に」として述べた不労所得の究極の目的は「経済的自由」すなわち、働かなくとも生きられる状態ではないでしょうか。労働者や経営者にとっては、「時間を買う」ことの極大値ともいえるでしょう。
不労所得だけで生活できるようになるためには、筆者がこれまでにも言及している「適切なリスクの質と量」のリスクアペタイトの範囲では、残念ながら、数千万~億単位の原資産が必要となります。しかしながら、金額が大きくなく、働かない選択肢を取られるほどではなかったとしても、不労所得を体感するだけで、生活は豊かになると言えます。
- 不労所得が拡大していく可能性を感じている間は、少なくとも幸せな時間ですよね?たとえ捕らぬ狸の皮算用であったとしても、その皮算用をしている時間の豊かさは本物なのです。皮算用に溺れて過度な期待をするのは禁物ですが、希望を持てている状況を客観的に眺めた上でその豊かな時間を享受すればよいと思います。
キャッシュフローがもたらし得るポジティブな効果を、少しでもイメージしていただけたらと思います。
【攻め②】世の中の仕組みを知ることができ、世の中の動きが興味深く面白いものになる。世の中の動きが自分ごとになる
資本主義と社会主義の戦いであった冷戦が終わり、中国が市場経済を取り入れて、はや30年近くが経過しました。今やアメリカの金融の中心であるウォール街のお金も、中国にどんどん入り込んでいます。
資本主義は世界を席巻し、基本となっているルールです。
資本主義において、経済は成長を宿命づけられています。
ひとりひとりの生活の余剰資金が貯蓄や投資という形態でめぐり巡って将来の需要増を見込んだ企業の設備投資に回され、この設備投資そのものこそが需要となり、更なる需要増を見込むという、幻想の重ね掛けこそが資本主義の正体です。この幻想が解けてしまったとき、資本主義経済は一気に後退を余儀なくされます。
資本主義においては、指数関数的に急速に衰退の一途を辿り破滅するか、指数関数的に経済成長が継続するか、その2択しかないのです。
「破滅」といってよい例は、ブラックマンデーやバブル崩壊、リーマンショック、そして直近のコロナショックと、10年に1回程度の頻度で起きています。ところが「破滅」しても、都度、数年の間に経済規模は元の水準まで戻っているのです。ヒトの生活は経済によって潰えるほど脆いものではないのでしょう。(ただし、2021年現在の超緩和的環境を正当化しているものでもありません)。
資本主義が継続する限り、経済規模は拡大を続ける。
資産運用・投資は、資本主義というルール・仕組みにおける正攻法
その前提において、資産運用・投資とは、その経済規模の拡大という恩恵に直接に与らんとする行為であり、資本主義というルール・仕組みにおける正攻法なのです。資本主義において、お金以上にお金を稼げるものはありません。
お金持ちがお金持ちであり続ける仕掛けが、資本主義には組み込まれていて、実はその仕組みには、資産家ではなくてもアクセスすることができるのです。労働よりも効率が良い資本主義の仕掛けを知って、実際にその仕掛けを利用してみると、世界に仕掛けられた仕組みそのものが面白く見えてきます。
資産運用・投資は、資本主義世界での「分業」のカタチ
別の側面からは、生活の余剰資金が企業の設備投資に回るということは、俯瞰的に見れば、すなわち分業を意味しています。
自分で山に行って木を切り倒し、加工して椅子や机を作るよりも、チェーンソーを使い慣れた林業家が木を切り倒し、加工工場の機械が整形・組み立てて、運送業者に運んでもらうほうが、はるかに効率的なことでしょう。「得意なことは得意なひとに任せる」その究極の形が資本主義と言え、分業による効率化のメリットを最大化する仕組みでもあるのです。
資産運用・投資は、世界を面白くする教養のためのツール
これらの仕掛けに対する前提知識を持っていれば、アメリカや中国高官の発言が世界にどんな影響を与えるのかが少しずつ見えてきます。
その影響で資産の値動きが起きれば、場合によってはお金という利益を得ることもできる。
これらの過程で、世界がどこか遠い客体ではなく、自分の身の回りの情報と繋がることで、自分ごとに近く思うことができるようになることでしょう。銀行預金を介した間接投資ではなく、直接投資をすることによって、世の中の仕組み自体に、手触り感を覚えられる。資産運用・投資は、世界を面白くする教養のためのツールということもできます。
【攻め③】メンタルコントロールスキルの向上
投資におけるメンタルコントロールの重要さは、上や別記事でも指摘してきました。
「豊かな人生を送るため」という資産運用・投資の目的に照らし合わせたとき、過大なリスクテイクによって不安に支配され生きた心地のしない時間を過ごしてしまっては本末転倒です。
そして、実は投資で収益をあげるためにも、メンタルコントロールが肝要なのです。主に、次のような思考のクセ付けが大切です。
- 過去には絶対に戻れない。今できることを考えるクセ
- 「底と天井はくれてやれ」というように、喜ぶべきことをきちんと喜べるクセ
- パニックになっている自分自身を客観的に見るクセ
資産運用・投資において必要なメンタルコントロールの中身は、別記事にて詳述します。
こうした思考のクセは、実は、投資に限らないさまざまな状況において非常に有用です。
不安という感情を見つめなおし、不安に対処できるようになるとともに、その結果として、状況を客観的に見て問題解決のための方策を考え・採択できる能力に直結しています。言い換えれば、投資に慣れることにより、パニックに陥らず、今に集中し、今できることを考えられる…つまりストレス耐性を高める習慣づけが出来ると考えます。
- 不安定な時代であるからこそ、どうなるか分からない将来を胸に留めながらも絶望することなく、既に採った行動は変えられないという前提で、失敗と成功を日々見極め、結果を受け止め、アクションを修正する。
- 換言すれば、後には引けない事実を受け入れること、「たられば」論に執着しないこと、その上で自分がこれからできることを考えること、何よりも、今よりも良い方法があると信じ続け行動し続けることが、投資において必要なマインドであり、従って投資を経験する中で培われていきます。
- 過去と環境は受け入れるしかないという事実、その中で自分が何ができるか考え、行動し、結果を受け入れて修正していくことに拘泥すること。このマインドこそが、不安定な時代を生きる上での豊かさ・幸福、自己効力感に繋がるものだと思います。
変わり続けようと努力する自分自身を褒めてあげられる精神を育むために、投資はまたとないツールと言えるのではないでしょうか。
守りの側面ー今の生活を維持するための方策
【守り①】自分が働けなくなったときのためのリスク回避:キャッシュインの源泉を、労働だけに依存しないこと。
「攻め」の項で書いた不労所得は、守りの面でも力を発揮します。「労働者は体が資本」という通り、働いて金銭を得るためには、健康な肉体・精神が必要です。これは個人事業主や経営者でも同様です。
健康さが失われてしまったとき、働くことで金銭を得ることは困難になってしまいます。
前述の通り、「投資」は、資本主義における分業のカタチです。投資によって、自分が働かずとも、世界の誰かの働きの力を借りることができる。自分が働けなくなるリスクに備えることのできるツールであるともいえるでしょう。
資産運用・投資からもキャッシュインを得られることができれば、ケガや病気によって働けなくなるリスクを一部回避することができ、リスク分散となります。
【守り②】資産を銀行預金だけにしないというリスク分散
上記の守り①よりも限定的な範囲にはなるものの、もしあなたが全ての資産を銀行預金として保有しているのなら、適切な質・量の範囲での投資は間違いなく、資産が減少する可能性を低減するリスク分散となります。
元本保証である銀行預金にも、次のリスクがあります。
- インフレリスク(銀行預金の価値が相対的に下落するリスク)
- 銀行の倒産リスク(与信リスク)
- 預金が円だけであるのなら、為替変動リスク
資産運用における、適切なリスクの質と量を採択し、リスクの組み合わせをコントロールする…という観点においては、資産を銀行預金だけで保有することは、非常にリスキーな行為なのです。
銀行預金やそれぞれのリスクの詳細は、別記事にて詳説していきます。
資産運用・投資は、豊かな人生を送るための強力なツール
いかがだったでしょうか。資産運用・投資が、豊かな人生を送るために強力なツールになる可能性を感じていただければ、冥利に尽きます。実践的な内容もこれから記載していくので、ぜひまたお立ち寄りください。それでは。
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